災害に思う・・・                                   2019年11月

紅葉色に染まる野山と収穫の秋を目前にしての台風15号に続き、台風19号の広域に及ぶ記録的な河川の氾濫と豪雨の被害に心を痛めるばかりです。
地球全体が気候変動に見舞われ、世界各国で、また日本の各地で、これまでに起こったことのないような想定外の災害が発生しています。ITやSNSの発達もあり、誰もが最新の気象予報をいち早く情報として入手し、準備や対応をすることが可能となりました。但し、いくら注意を促され、避難を勧告されても、差し迫った危険を、現実に自分に起こっていることとして捉える意識は、まだまだ薄いようです。
実際に今回の台風では、さいたま市南区域の我が家でも、荒川に氾濫の危機が迫っているので、速やかに指定の避難場所へとの避難勧告指示がでました。しかし、外に出てみると、降っていた雨は上がり、風も収まって星空が出ています。とりあえず、家に戻って様子を見ていると、朝には警報は解除となり、心からほっとしました。ただ、場所によっては水の溢れた地域もあったとのこと、一日も早い復旧を心よりお祈りいたします。
氾濫発生情報とは、国民に命を守る行動を優先するよう、国が発表する大事な情報です。命を落としかねない状況に陥った時、情報をいかに正しく受け止め、どう素早く行動すべきか、そう問われていると実感しました。
人は、年齢と共に体力や決断力が落ちていきます。また、せっかくの他人の助言も、素直に受け取りにくくなりがちですが、このような災害時にこそ、日頃から知っているご近所同士で声を掛け合い、自治会などの身近なネットワークを使って助け合っていくことが、大切になると思います。
皆様も、まわりと良き交流を持ちつつ、安心安全にお暮しになりますように。
                                                                                                                             大麻 みゆき


ケア・ハンズを続けるために!     2019年9月

 天候不順と酷暑の夏が過ぎ、朝晩に吹く風や庭で鳴く虫の音に、秋の気配を感じる季節になりました。連日の気温上昇や熱中症対策からようやく解放され、一息ついた身体には、夏の疲れも出やすいものです。それぞれにお体を労りつつお過ごしくださいますように。

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 さて、この度ケア・ハンズでは、10月1日より、利用料金の一部改定と、消費税の外税方式を実施させていただくこととなりました。会員の皆様には、別紙にて詳細をお知らせしておりますが、このことによって、財政的な問題を改善し、ケア・ハンズがこの先少しでも長く活動を続けられますよう、皆さまのご協力を宜しくお願い致します。

 人生100年時代となり、一人一人が老年期の生き方を、健康と生活の両面から考えるべき時代となりました。年を重ね、介護や支援が必要になったとしても、多くの人たちは、住み慣れたところで自分らしく、安心して、暮らし続けたいと願っていることでしょう。

 そのためには、医療介護など専門的な公的サービスとともに、それ以外の生活支援サービスも必要となってきます。その上で、安心して地域で暮らしていくためには、近隣での助け合いによる生活支援は欠かせません。さいたま市においても、地域の担い手研修等住民同士の助け合い活動が進められ、地域で様々な取り組みが始まっていますが、それらを円滑に進めていくためには、私たちのような継続的、且つ相互的に助け合いを行う活動団体の存在は重要です。ケア・ハンズは、介護保険制度の開始後も、行政の制度枠外での在宅支援を行うために「心のふれあう」活動を有償で続けています。それが『ケア・ハンズらしさ』 として、世間に広く認められ、信頼をされて今に至っております。

 これからも、より一層の努力をしてまいりますので、皆さまのご協力をよろしくお願い申し上げます。

                             代表  大麻 みゆき


毎食を大切に!      2019年7月

あじさいが雨に映え、目を見張るような速さで成長する木々の緑に心癒される季節となりました。

今年も梅漬け作業を終え、ホッと一息ついているところです。これまでは、実家の母や義母手作りの梅干しを当たり前のように食べていました。しかし、母たちが高齢のため作れなくなると、それでは自分が・・・と、夫が料理本を片手に漬けてくれていたので、何十年もの間ずっと食べる側だった私ですが、いよいよ残っていた梅も瓶の底がみえるほどになってしまい、最近になってやっと自分で作り始めた次第です。今は何でもお店で買える時代ですが、梅やらっきょうを漬けていると、その酸っぱさと共に家族との情景が目に浮かび、今では私にとって、大切な節目の作業となっています。

食べ物の記憶、突然に私たちをその時代に戻し、懐かしい出来事や人との交わりを思い起こさせてくれます。ただ、年を重ねていくと、その懐かしい記憶もどんどん失われていき、寂しい限りではありますが・・。

 

 先日の総会では「オーラル(口)・フレイル(身体の衰え)」をテーマとした学習会を行いました。講師の清水先生によると、人は60歳を超えると筋力が10%も衰えるそうです。そして、口にも同じような機能の低下が認められるとのこと。

噛めないからといって、軟らかいものばかり食べていると、噛む機能と共に食欲も落ち、低栄養状態へと陥ってしまいます。そうならないためにも、ある程度固いものも食べるように心がけたいものです。「毎食後のぶくぶくうがい」や「歯磨き」の大切さも教えていただきました。「食べる」ことは、命の最後の時まで続く大切な行為です。口からおいしく食べることで、健康を保ち、命を守ることが出来るということを覚えつつ、皆様も、毎食を大切な時間として過ごされますように。

                              代表  大麻 みゆき


毎日美味しく食べられる幸せ  2019年5月

 天皇の退位に伴って新しい元号が発表され、この号がお手元に届く頃には、「平成」から「令和」へと、新しい時代が始まっていることと思います。

 櫻の季節になると、私達の身体はなぜかムズムズワクワクし、明るい気分になります。それに加えて今年は年号が変わったことで、より気持ちが上向き、新たなチャレンジをしてみようと思っている方もいらっしゃることでしょう。とは言っても、自らを振り返ると、年毎に忘れることも多くなり、一度に複数の用件が出来なくなったり、特に力仕事をしたわけでもないのに身体が痛み出したりで、やはり身体は誤魔化せないと、70歳を前に「老い」を実感しています。チャレンジよりも、今の日常生活の見直しから始めなければと、思わされているところです。

 先日、突然歯が痛み、今まで何でもなかった「噛むこと、食べること」をおっくうに感じる日が続きました。人は年を重ねると、食が細くなりがちですが、更に病気や怪我で入院すると、誤嚥等の心配から柔らかなものが中心の食事となるため、口の周りの筋力や体力も低下してしまいます。そして最終的には介護が必要な状態になりかねません。「噛んで飲み込む」という行為は、舌や多くの脳神経がうまく動いて、初めて出来る行為だと聞きます。あまりに当たり前すぎて、そのすごさに気付かず日々を送っていますが、普通に食事ができていることが健康につながるとの意識を持ち、毎日を過ごしていきたいものです。何といっても「毎日おいしく口から食べられる」という状況は、とても幸せなことであり、長寿の秘訣でもあると思います。

 今年の総会では、歯科衛生士の清水さんをお迎えして「お口の衰えに気付いていますか」という演題の学習会も予定しております。是非皆様にご参加いただき、ご自身やケア先での食事支援に役立てていただければと思います。

                               代表  大麻 みゆき


健康長寿で過ごすには?    平成31年3月

 新しい年も早や節分が過ぎました。ふと見上げた木々の葉の下からのぞく芽吹きや、通りすがりに漂う梅の香りに春の近づきを感じます。また、暖かさと共に花粉の飛来も始まっておりますので、早めの対策を取ってお過ごし下さい。

 今年は平成最後の年ということもあり、世間ではこの30年を振り返ると共に、来るオリンピックに向けての話題で賑わっています。その一方で、日々の暮らしに目を留め、周りを見渡すと、子育てが一段落したと思われる主婦や、定年後の団塊世代と思われる方々を町や地域で多く見かけるようになりました。

 超高齢化社会が到来し、人生百年時代をどう生き抜くか、そして特に後半のセカンドライフを、どう健康に心豊かに送ればよいのかと、市を挙げて地域活動への呼びかけなどが始まっています。

 そのためには「健康寿命(※注)をどこまで保って生きられるか」を考えることが大事です。要は、日常的に介護などのお世話にならず、自立した健康な生活が送れる期間をいかにして伸ばすか、ということです。まずは、精神的、社会的なかかわりを持つために、自分も何かしらの役割を担い、次に、今までの生活習慣の改善や食生活の見直しをしてみましょう。そして「自分はどう生きたいか」を明確にすることが、何よりも大切です。今まで自分でやってみたい!好きだ!と思っていた事を思い起こし、とりあえず一歩を踏み出してみませんか?その勇気がきっと、地域とつながるきっかけになるはずです。

 私達ケア・ハンズの活動も「自分の出来ることを、出来る範囲で」という理念で始まりました。地域で困っている人を見かけたら、出来る人が喜んで手を差し伸べ、お互いを助け合う、そんな新しい出会いが、生きがいづくりの一助となります。皆様が健康な一年を過ごされますように。

                                          代表  大麻 みゆき

 

※注:健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されず、生活できる期間を指す言葉。

                   (男性71.19歳 女性74.21歳 平成25年時点)


今年も宜しくお願いいたします   平成31年1月

総会から半年余り、新体制でスタートしたケア・ハンズの活動も多くの人に見守られ、無事新しい年が迎えられましたことを感謝いたします。 高齢化が進み、労働人口の減少を補うため、外国人労働者の受け入れや拡大の必要性が叫ばれています。介護の現場においても、ロボットで対応する時代が、もうすぐそこまで来ているとの声も聞かれます。 しかし、私達ケア・ハンズは、やはり人と人とのつながりと支えあいを大切にした「心のふれあう」助け合い活動をこれからも続けていきたいと願っています。 本年もどうぞよろしくお願い致します。